あごひげりゅーごの一魚一会

北海道の大自然で釣り三昧しているあこひげアングラーです。Twitterやってます。→@higeryugo

2021年9月3日浜益アキアジ(鮭)

うだるような暑さも忘れてしまい半袖では肌寒く感じる事も増え月が照らす時間も増えてきた。きっと水温も下がっているであろうと感じる。つまり...

いよいよ夏枯れが終わったぁぁぁあああ!!!ぃやっふぅぅううう

本当にこれをどれ程待ちわびていたか...。この釣りバカの私が夏枯れの8月は一度も波の音を聞かなかった。では何をしていたかと言うと...まぁ結局淡水での釣りに勤しんでいたんですけど。

 

前置きはさておき、夏枯れが終わったとなると次のターゲットになるのは北海道ならではの魚、そうアキアジ(鮭)だ。

 

 

アキアジは私が毎年楽しみにしている釣りの一つで、釣りとしては「ただ巻くだけで面白くない」「場所取りえぐすぎ」「密です!」等の色々な声が上がるが、やはりなんと言っても魚卵の「いくら」やオスでは身がとても美味しく頂ける。釣りたい=食べたいの気持ちが強い私には魅力的なターゲットだ。

 

いよいよ開幕戦!と気合が入るところではあるが、今年のアキアジだがどうにも猛暑の影響か回遊が遅い。私が主戦場とする日本海では良い釣果は聞こえず期待せずに開幕戦を迎える事となった。

今回は以前にサクラマス釣りで一緒になった仲間二人と釣行。時間は深夜0時。厚田の道の駅で集合し現地調査をしながら北上して場所を決める事とした。完全に残暑気分で短パンで到着したものの気温は14度。寒さに震えながらポイントを探すもののどうもパッとしない。魚を見かけたという怪しげな情報を頼りに浜益のサーフで座を構える事とした。

※鮭釣りにおいては諸々のマナーが気になる為、場所は念のため伏せています。知りたいという方はTwitterのDMでご連絡ください。上から目線で申し訳ないですが人柄等を考慮しご連絡を検討いたします。

 

 

到着は0時半頃。駐車場に車は10台ほど。仕事を終えそのまま寝ずに現地へ来たこと、可能性が低く余りやる気が起きないことを踏まえて(?)3時まで仮眠。起床すると海面には気の早いアングラー達が光を浮かばせている。

私よりも爆睡していた仲間達を叩き起こし準備をさせる。仲間一人はウキフカセ片手に河口の激戦区へ。私ともう一人は少し外れた位置からウキルアーでスタートする事とした。入った場所はおおよそ3m感覚で鮭釣りとしてはそれほどお祭りを気にしなくて良さそうな距離感で安心する。

 

手前でハネやモジリが見えないためまずは遠投。55gのサモメタのブルピングロウで遠くから探る事とした。

こちらも昨年から実績のあるスプーンでグローなので特に日の出までに良く使っている。

入ったポイントはかなり遠浅で5~10m先が第一ブレイク、40~50m先が第二ブレイクといったところ。第一ブレイクから第二ブレイクまでは水深1~3mといったところ。それに合わせてタナはヒトヒロ(おおよそ1m50cm)とした。

正直なところ全く釣果には期待していないし、海面はいたって穏やかだし、朝マズメだというのに釣れている人は居ないし、ってな感じでただただ一ヵ月ぶりの海に癒されているだけのつもりだった。

 

しかし頭部からの灯りを使わなくなった頃に状況が一変する。

 

仲間が「キタっ!」としっかりとアワセてそのままファイトを開始した。

第一ブレイクあたりまで寄せてきていたが、痛恨のバラシ。しかも大きそうだったので悔しがっていた。

 

とにかくこれで周囲の目に火がともったのは事実。仲間のルアーのタナは30~50㎝くらいで浅めだったことを確認(盗み見)したので、セットをチェンジする事とした。

タナを浅くするのに伴い、スプーンを軽い40gに変更。そして明るくなってきて分かったのだが結構濁りが入っている。それに伴い実績ありまくりのサーモンロケットのケイムラピンクイワシに変更。このスプーンでは数え切れないほど釣っている。

 

この実績スプーンを波に乗せてゆっくり巻く。当日は若潮でまるで潮が動いていない状況ということもありかなりスローな釣りになっていた。

 

先日のブログ記事の通り私はナイロンラインを愛用している。ご存知の通りナイロンラインはPEに比べると比重が重くサーフだと波の影響を受けやすい。その波にラインを乗せその動きを活かしアキアジ釣りでは割と軽量の40gスプーンをふわふわとさせて動かす。

たまに一瞬リトリーブを止めてスプーンをふわふわ。波にラインが引っ張られた後に一瞬間を置きふわふわ。スプーンの形状を活かしたふわふわとしたフォールでタコベイトを波に漂わせる…。

 

ゴツン

 

「き、きた…」

 

一年ぶりのアキアジからの魚信。一瞬ではあるが確実に重量感のある特有のそれ。

 

「慌てるなあわてるなあわわってててるn」

 

心拍数を上げつつもそう呪文の様に自分に言い聞かせ同じペースでゆっくりと左手を動かす。

 

そうして魚信を感じること5回。ググッと竿先が持って行かれる重みを感じ左側へ鬼フッキング!(竿を立ててのフッキングはスプーンが飛んでくるので注意)

 

竿はしっかりと湾曲し重みが乗っている。アキアジは口が硬いためフッキングした後にそのまま後ろへ後退ししっかりと口を貫通させる。フッキングに成功した事を感じ、周囲の人へ興奮している事を隠しながら「すいません来ました〜」と声を掛け、お祭りしないようにルアーを回収して頂く。極めて冷静に伝えたつもりだが顔はニヤけていたであろう…。キモくてすまん。

 

さておき、抵抗する魚の激しめファーストランもあったが隣にはアングラー。ひたすらゴリ巻き。序盤は激しめのファイトを見せてくれたのでポンピングをしていたが、その後はすっかり大人しくなりさくっと回収。

小ぶりなサイズと感じてもいたが、波打ち際に上がって来たのはおおよそレギュラーサイズの70cmだった。サーフでの釣りが久しぶりぎたので巻きすぎて陸に半分上がってしまっていたが、改めて自分を落ち着かせて波に乗せてランディング成功。

 

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まるで期待せずに赴いていたためとても嬉しい一匹だ。釣れたアキアジは早速エラを切り血抜きをしまるで犬かの様に地面を掘り、そのまま土に埋める。

 

そうしてすぐにキャストを再開し、次なる一匹を求める。

 

 

3投目

 

また同じようにふわふわさせているとココンと竿先に重みが。ほぼ反射的にフッキングするとやたらと軽い引き。これは………

 

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良いサイズだ!!!

 

じゃなくて。

 

そうしてこの6時半頃からこの子らの活性が上がり餌が物凄いペースで無くなる。しかもアキアジ釣りの大きいフックではおちょぼ口のこの子らをフッキングするのは難しい。そうなるとやっているのはほぼ餌付け。大きく育てよ。

 

そんなこんなでまともな釣りにはならないので休憩を挟みながら周囲の状況を仲間や左隣の愉快なおっちゃんや右隣の気のいいあんちゃんと情報交換をするも人は全体30〜40人いるが上がっているのは4本程度のようだ。

嗚呼アキアジちゃん。私のとこに来てくれて本当にありがとう!

 

そうしてダラダラとしつつウグイへの餌付けを続けているとすっかりと日が昇り7時半。満足もしたし餌も残り少なくなってきたので残りの餌は仲間に託し撤収する事とした。

 

 

 

アキアジは毎年社会問題になる釣り。過剰なまでの場所取りや、隣のアングラーと肩が触れ合うストレスの溜まる距離感、そして起きる喧嘩。私も実際に怒鳴り合いを見た事があるし、どうみても反社会的勢力の人々が川で鮭を網で掬い腹を掻っ捌いているのも見た事がある。人々の闇も感じる釣りだ。

 

ただ毎回隣の人と一触即発かと言うとそうでもない。札幌近郊の激戦区と言われる厚田川や古平川ではたまに聞く程度。私は激戦区を避けるので小競り合いになったことも無いし人に恵まれているからか隣のアングラーとはワイワイと楽しめる事が多い。

何より大切なのは挨拶をすること。それは明白なのだが、大事なのは誰がいつするかのタイミング。挨拶というのは後から入ってきた人が先人にするのではなく「自分から挨拶をすること」である。

「おはようございます。隣に入らさせて貰います〜。」

波や風の音で聞こえない事もあると思うので相手に確認して貰えるまでしっかり挨拶。たったこれだけでイライラした2時間から解放される可能性が高いのでぜひ試して欲しい。

 

実際に今回もとてもフレンドリーに釣りを楽しむことができた。99%の人は同じ様に「隣の人が良い人だといいな」と思っているだろうから、そのキッカケを自分から作るのか、他人に任せるのか。ほんの少しだけ勇気を出して自分から声を掛けられたら周りの人も受け入れてくれると思う。

 

鮭釣りをする人=悪

みたいにとらわれがちだが、意外と皆良い人。確かに地元勢が謎ルールを発揮してくる場所もあるがそれ以外の場所を選べば楽しめる場所も多い。厚田~浜益あたりは引っ掛けも多く萎える事が多いがそんな時はサクッと通報しよう。立派な密漁です。

 

何より北海道の先住民族であるアイヌ民族がカムイチェプ(神の魚)と呼ぶ、北海道でしか釣れない鮭。

 

せっかく北海道に住んでいるのであればこの釣りも楽しんで欲しい。そう思っている。

 

 

【釣果】

 

アキアジ(鮭)オス70cm × 1